債務整理の期間と相談から債務整理完了までの手続きと流れ/完全保存版
債務整理の期間と相談から債務整理完了までの手続きと流れ/完全保存版
債務整理を依頼するときの流れとその手続きについて解説します。ここでは債務整理の中の任意整理を例に手続きの流れを説明しますが、自己破産でも、個人再生でも大きな流れは変わりません。弁護士や司法書士への相談中に適切な債務整理方法を提案してくれます。
1.相談する弁護士を比較検討して選ぶ
まずは債務整理を相談する弁護士を選びます。
基本的に任意整理で140万円未満であれば司法書士でも対応はできますが、交渉の経験値や信頼性の面でも、弁護士を選ぶことをおすすめします。
基本的に相談無料という弁護士事務所がほとんどなので、成功報酬や着手金などを確認したうえで、実績が豊富な弁護士事務所を選ぶと良いでしょう。実績がある方、交渉ノウハウが豊富な可能性が高く、借金の減額幅が大きくなる可能性が高いのです。
2.無料相談の依頼をする
弁護士事務所のウェブサイトや電話から相談を依頼します。
メールや電話で概要をヒアリングしてくれますので、その後日程調整の上、面談の打ち合わせを行います。
3.面談の前に現在の借入れに関する資料を用意する
債務整理をする最初の段階は「現在の借入状況を把握する」ことからはじまります。
つまり、弁護士は現在の借入情報を整理する必要があるのです。
そのために必要になるのが、現在利用中の金融機関の
- クレジットカード
- ローンカード
- 金融機関との契約書
- 利用明細書
- 郵便物
- 返済領収書
- ・・・
などです。
仮に借金をしている金融機関を完全に網羅できなくても、用意できる範囲ですべて用意する必要があります。
ウェブ明細などの場合も、印刷するなどして用意してから面談に臨みましょう。
その他、身分証明書、認め印、着手金等が面談のときに必要な場合もあります。
4.面談
弁護士の先生が、現状の借入状況や過去の返済状況などのヒアリングによって、選択すべき債務整理方法を簡単に提案してくれます。(その後の借金の調査結果などで債務整理方法が変わる可能性もあります。)
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
- 特定調停
- 過払い金返還請求
情報が不足している場合には次回ということになる可能性もあります。
5.委任依頼・契約
弁護士の先生からの提案が納得いくものであれば、契約書に署名・押印の上、委任が成立する形になります。
注意してほしいのは、納得できなければ断っても良いということです。
債務整理の場合は、弁護士の方の裁量によって、減額幅や過払い金の取り戻す金額が変わってくるので、説明を聞いて納得できない場合は他の弁護士の話を聞いてみるというのも、ひとつの選択肢なのです。
雰囲気に負けて、納得しきれない状態で契約してしまうのは辞めましょう。
相談自体は無料なので、他の弁護士にも話を聞いたうえで、提案の内容を比較し、良い方を選ぶという形をおすすめします。
6.受任通知の送付・取引履歴の開示請求
契約が完了すると、すぐに弁護士は債権者に対して
- 受任通知(介入通知)の送付
- 取引履歴の開示請求
を行います。
受任通知を受け取ると債権者は、直接債務者に借金の返済請求をすることができなくなります。
つまり、この時点で債権者からの支払催促が止まります。
また、取引履歴の開示請求によって正確なローン残高や過去の返済履歴などを把握することが可能になります。
資料が全て揃わないと負債総額が判明しないので、債権者1社残らず全て請求を行います。
取引履歴の開示請求に正確に応じない会社もあるので、その場合にはヒアリング情報と照らし合わせ、情報の正確性をチェックするのです。
7.借金の引き直し計算
すべての債権者からの取引履歴が出そろった段階で
利息制限法に基づき金利の引き直し計算
を行います。
利息制限法というのは、上限金利が18.0%なのですが、以前はグレーゾーン金利と呼ばれる29.2%の金利がまかり通っていたため、利息制限法の金利で「本来支払うべき利息がいくらなのか?」を再計算するのです。
本来支払うべき利息と実際に支払ってきた利息が違う場合に
- 借金の減額
- 過払い金返還の請求
が可能になるのです。払いすぎていたら取り戻せるのです。
8.債務整理の方針決定
- 現状の借金総額
- 借金の引き直し計算金額
が確定することで、残債務額が確定します。
3年~5年の分割返済で完済できそうな場合
→ 任意整理で対応
利息の引き直し計算によって、将来利息をカットした金額で債権者と和解交渉をし、返済期間も柔軟に対応してもらう形をとります。
分割返済では到底完済できない場合
住宅ローンがない場合 → 自己破産で対応
住宅ローンがある場合 → 個人再生で対応
住民票や給与明細などの資料を提出し、さらに詳しい事情を弁護士がヒアリングした上で裁判所に提出する申立書を作成し、裁判所に提出します。
9.和解契約書締結(任意整理)
任意整理の場合は、すべての債権者と和解契約書の締結を持って、任意整理が完了します。
これらの交渉や契約の締結はすべて、代理人である弁護士が行います。
9.裁判所への申告(自己破産・個人再生)
自己破産や個人再生の場合は、裁判所が行う手続きになります。
そのため、弁護士は申告や面談などを裁判所に対して行い、自己破産であれば免責決定が出るようにサポートしてくれます。
10.手続き完了
任意整理の場合
和解した内容で返済を継続し、完済されます。
自己破産の場合
申し立てから4か月~6か月後に免責が確定します。免責が確定すれば返済の必要はありません。
個人再生の場合
裁判所で認可されると、その個人再生案に従って、3年間返済を継続します。計画通りに返済が完了すると借金がゼロになります。
11.弁護士費用の支払い
弁護士事務所によって支払いのタイミングはまちまちです。分割払いができる弁護士事務所も多いので、一括での支払が難しい場合には分割払いを利用することをおすすめします。
債務整理の期間
任意整理
受任通知を送ってから、和解契約書締結まで3か月~6か月後
自己破産
申し立てから4か月~6か月後に免責確定
個人再生
申し立てから4か月~6か月後に再生計画の認可決定
です。
つまり、どの債務整理方法を選んでも、早ければ3か月、おそければ半年の期間がかかってしまうことになります。
ただし、受任通知さえ送ることができれば、債権者からの取り立てや催促は完全にストップするので、それまでにかかる期間は弁護士事務所と契約するまでの期間なので、早ければ数日でストップさせることができます。